今でこそ三次元CADなんかでデザインを起こすこともしますけど、それって「手作り」っていう基本があってのことなんですよね。どんなに良いデザインで、どんなに設備が整っていても、最後は人の手で仕上げるわけじゃないですか。大昔からの受け継がれてきた技って言うんでしょうね。そういうのなしじゃこんなに技術躍進を遂げた現代でもジュエリーって作れないんですよね。だからどんなに技術が進歩しても、やっぱりそこは忘れちゃいけない部分で、こだわり続けなきゃいけない部分なんですよ。でないとジュエリーに未来はないでしょ。もうそのままの意味、作れる人がいなくなっちゃうもん。

 今、ジュエリー職人さんがどんどん減ってきてるでしょ。僕がジュエリーを作れなくなったとき、職人さんって何人残ってるんだろうって思うんです。もしかしたら絶滅してるかもしれない(笑)でもそう考えたとき、12年前に決めた「一生宝物にできるジュエリー」ってコンセプトに、職人としての責任を感じるようになりましたね。

 そもそもこのコンセプトって、職人なら誰でも持ってる気持ちだと思いますよ。誰だって自分の手から生まれたものを、ずっと大切にしてもらえたらって思いますからね。でもそれを実際こうやって言葉にしたとき、その重みってすごいですよ。もうね、すごいプレッシャー(笑) 立ち上げたばかりの頃って、お客さんが取りに来る寸前まで調整してました。最高の状態で受け取ってもらいたいじゃないですか。だから最高の状態にしておきたい、そのためにはここの角度が、磨きが、ってやってると、やべ!もう来ちゃうよ!みたいな(笑)

 でも結局僕の手だけじゃジュエリーって完成しないってことに気付いたんですよ。根本的に素材が足りない、完成するわけがないって感じです。何て言えばわかりやすいかな、ジュエリーを手にした瞬間こぼれる笑みがあるんです、お客さんのね。それが完成に必要な最後の素材だと思うんですよね。あの笑顔を見た瞬間、こっちは内心ガッツポーズです(笑)めちゃめちゃ嬉しいですよ、そのためにやってるって言い切れるかも(笑)

一生宝物にできるジュエリーとレザークラフト。手作りにこだわりオーダーメイドやカスタムも承ります。